八重山を語るにあたり、波照間島にある
『民宿たましろ』を紹介しなければならない。なぜ私が八重山に魅せられているのか、その大きな理由のひとつがこの『たましろ』だからである。
『民宿たましろ』とは、八重山好きなら誰でも一度は耳にしたことがあるであろう有名な宿。なにが有名かというと、、、まず最初にあがるのがその
食事の量。朝であろうが夜であろうが半端な量ではない。この食事を完食することを目的の一つに訪れる人もいる。
ある日の夕食。2.5玉はある天ぷらうどん、2合はある大盛りうな丼、島のお刺身、味噌汁、島豆腐、バナナ、パイナップル。そして幻の泡盛『泡波』。おいしいんだけどね、基本、炭水化物勝負。
でも、本当の『たましろ』の魅力は、
人との出会いである。『たましろ』では、夕食はみんな集まって表の大きなテーブルで頂く。知らない人ばかりだけど、大盛りご飯を食べ、泡盛を飲みながら普通に会話する。食事が済んでもひたすら泡盛を飲みながら夜が更けるまでおしゃべりを続ける。沖縄では、こんな風におしゃべりをすることを
"ゆんたく" と言う。
1日3便、石垣島と波照間島を結ぶ定期船。『たましろ』で出会った仲間をみんなで港まで見送りに行く。船が見えなくなるまで手を振り、送る側はちょっぴり寂しくなる反面、今日新しく訪れる仲間に期待を膨らませる。送られる側はまた必ず戻ってこよう、と船に揺られながら島を後にする。
知らない人同士なのに、ずっと前から親しい仲間だったかのように打ち解けられる宿。一人旅の人やカップル、家族と、訪れる層は様々。でも、『たましろ』での "ゆんたく" を求めて、毎年多くの人がこの宿を訪れる。リピーターや常連さんが大変多い所以である。
・・・と、大変素敵な宿のようだが、もちろん見逃せない側面もある。とにかく、
汚いのである。部屋は薄暗く畳は湿っていて、床には砂埃や髪の毛が目立つところもある。廊下はきしみ、扉はがたがた。トイレの前には大量の赤い蟻の群れが。。。トイレとお風呂はもちろん共同で、お風呂ではたまにイモリくんに遭遇する。清潔という言葉とは対極にあるこの環境に、初めて訪れ愕然とする人もいることだろう。・・・普通。
それでも、私はまた来たいと思ったんだな。
たましろオーナーとの写真@2004年は宝物。
そして、2005年八重山旅行に続く。